北海道移住コンシェルジュブログ

2019/02/20
移住者の戯言 道民14年生のつぶやき

知っておきたい北海道の道を走るコツ ~冬道編2~


なんだか、昨日、そして今日と、
ここ北海道は、2月とは思えないような
過ごしやすい気候となっていますね。


過ごしやすいと言っても、
弊所のある千歳は、
朝晩、かなり冷え込む地域ではあるのですが、
日中はしっかりプラスの気温になっていて、
雪どけも徐々に進んでいます。


週間天気予報を見ると、
しばらくは暖かい日が続きそうですから、
今年は、本格的な春の訪れも
例年よりも少し早まるのかもしれません。




さて、ここからは、昨日に引き続き、
冬道編の第2弾を
お届けすることにしましょう。


北海道の冬道を走る時に、
特に気を付けたい路面状況4パターンのうち、
今日は「シャーベット路面」について、
解説していきます。


シャーベット路面は、
その名のとおり、降り積もった雪が
道路上でシャーベット状に
なることによって出現します。


雪がシャーベット状になるのは、
せいぜいー2℃くらいまでで、
それより低い気温になると、
雪はガチガチに凍り始めますから、
ブラックアイスバーン同様、
冬のはじめと終わりに
しばしば発生する現象と言えるでしょう。


ここまで説明しただけで、
もうお分かりだと思うのですが、
普段はあまり雪の降らない
首都圏などでも
このシャーベット路面は出現しますよね。


だから、北海道特有の現象
というわけでもないのだけれど、
車を運転する上では、
その場所がどこであれ、
注意を要する路面状況でもあるので、
しばし、このテーマに
お付き合いいただければと思います。




シャーベット路面を車で走る場合、
ゆっくりとした速度なら、
意外にも、大きな事故につながるような
恐ろしい思いをすることは
あまりないと言っていいかもしれません。


その理由は、
ブラックアイスバーンなどと違い、
低速走行時には、タイヤと路面の摩擦が、
ゼロになるようなことはないからです。


だから、スピードを
落として走っている限りは、
ハンドルを取られることはあっても、
何もできないまま、
道路から逸脱してしまうような
最悪の事態に陥る可能性は
低いと言えるでしょう。





ただ、実は、
そこが大きな落とし穴でもあるのです。


スベらないからと言って、
徐々にスピードを上げていくと、
タイヤと路面の接点が次第に狭まっていき、
ついには、シャーベット状の雪の上を
タイヤが空転するような状況が発生。


濡れた路面で、
しばしば発生することが知られている
ハイドロプレーニング現象に
近いイメージでしょうか。


シャーベット路面が厄介なのは、
雨で濡れた路面の場合では、
だいたい時速80km/hを超えないと
ハイドロプレーニング現象は
起こりにくいとされていますが、
シャーベット路面では、
時速50km/hくらいでも
車が完全に制御を失って、
路外に吹っ飛んで行ってしまうことも
珍しくないんですね。





実際、私の知人でも、
シャーベット路面でスリップして
路外に逸脱し、
危うく死にかけたヤツが2人います。


その2人に共通するのは、
普段からハンドルを握る機会が多く、
自他ともに認める運転技術を
持っていたこと。


それが意味することのひとつは、
どんなに高い運転技術があっても
シャーベット路面で、
車が一旦スリップし始めてしまえば
態勢を立て直すのは
容易でないということでしょう。


そして、もう一つは、
ドライバーの油断や慢心こそ、
事故の最大の原因になり得るということ。


人間、失敗から学ぶことも多いわけですが、
たった1回の失敗で
不幸にも命を落としてしまうことだって
実際にあり得るわけですから、
車の運転に限っては、
できる限り失敗は少ないに
越したことはないと思います。


ただ、逆の言い方をすると、
スピードさえ出さなければ、
シャーベット路面は、必要以上に
恐れなくてもイイとも言えるかもしれません。


シャーベット路面は、
ブラックアイスバーンとは違って、
見ればすぐにそれとわかります。


だから、シャーベット路面に出くわしたら、
まずは、スピードを落としましょう。


そんな意識を持つだけで、
事故のリスクを
かなり減らすことができると思います。




余談ですが、かつて、
私が関東に住んでいた頃、
シャーベット路面となっていた
東京外環自動車道で、
追い越し車線を100km/hくらいで
走行していたRV車が、
突然スリップしてコントロールを失い、
側壁に激しく衝突する瞬間を
目撃したことがあります。


その時は、車は大破したものの、
運転手の方は、
奇跡的に軽傷で済んだ様子でしたが、
衝突する場所が
ほんの少しずれていたら、
車が高架橋から落下するような大事故に
なっていた可能性もありました。


その瞬間の記憶は、
今でも私の中に刻まれていて、
その後、しばらく体の震えが
止まらなかったことを
今でも思い出す時があります。


このように、シャーベット路面は、
北海道ならずとも出現しますから、
北海道への移住を考えている方でなくても
今日のブログで紹介した内容を
雪道走行の参考にしていただけると
うれしいですね。