北海道移住コンシェルジュブログ

2019/07/22
道民15年生のつぶやき

権利の上に眠る者


昨日は、参議院議員選挙の投票日。
投票率は、48.80%だったそう。


この数字を見て、
すぐに思い出したのが、
「権利の上に眠る者は、保護に値せず」
というフレーズでした。


有権者の半分を超える人々が
権利の上に眠っているという現実。


こうした現実を
「差し迫った民主主義の危機だ」
みたいに真顔で言ったりすると、
「何を大げさな」
とツッコミが入りそうな昨今ですが、
今、私は、本当にそれでいいのかと
怒りを伴った不思議な不安感に
襲われているわけです。


こうした現状に警鐘を鳴らす
わかりやすいコラムはないかと
ネットを検索してみたところ、
今から5年前の日経新聞の「春秋」が
ヒットしました。


曰く・・・


無風だろうが、大義がなかろうが、
投票しなければなにも始まらない。
有権者の半数ほどしか
参加しない選挙であるなら、
「政治に関心がないので、
適当にお願いします」が
第1党ということになってしまう。
投票権があるのに眠り続ける人たちは、
政治の側からは
すでに「保護に値しない」と
思われているかもしれない。


なるほど、的を射た指摘だなと。


移住という視座で見た時、
移住者には、主体的に
地域と関わっていくことを求められる
シーンが多いと思います。


実際、道北の下川町では
移住者が町議会議員となって、
主体的に地域づくりに取り組んでいる
事例もあるわけですね。


だから、
このブログを訪問してくださった
皆さんの多くは、
当事者意識を持って
社会とかかわっていくことに
強い自覚を持っている方が
多いのではないかと推測します。


だから、釈迦に説法をする気など
全くありません。


本当にメッセージを伝えたい相手は、
「権利の上に眠っている人々」に対して。


けれど、そういった人々は、
このサイトを見ることはもちろんのこと、
日経新聞の「春秋」を読む機会もない方が
圧倒的に多いでしょう。


どうすれば、ひとりでも多くの方々に
有効なメッセージを届けることができるのか
ありったけの知恵を集めて、
真剣に考えていかなければならない時代に
突入してしまったような気がしてなりません。



私は、若い世代に向けて話をするときは、
「選挙に行け!」ではなく、
「なぜ選挙に行くことが大事なのか?」を
学生たちが主体的に考えるようになるまで
徹底して、メッセージを発し続けます。


そのようにするには、
当然、明確な理由があります。


それは、誰かに強制されてやらされることに
重要な意味を見い出すことは難しいから。


もし、若いうちに自分自身で
選挙に行くことの重要性に気づけたなら
その先、誰かに背中を押されなくたって
自発的に投票に行くはずです。


だから、「投票しない人に罰則を科す」
みたいなやり方をして、
強制的に投票率を上げることには
賛成できないですね。


もちろん、投票体験によって
その重要性を理解するというアプローチを
全否定するわけではないですけれど、
それが最善の策とは
どうしても思えないのです。


少し乱暴な言い方ですが、
大人世代はスルーしてもいいから、
若い世代の人たちが
いかに自発的に物事を考える
きっかけを作れるかが
何よりも大事。


そのためには・・・


ひとりでできることには
当然、限界はあるけれど、
それでも、まずは
できることを全力でやるのだ。


そんな姿勢を
私たち大人世代が、
自身の振る舞いを通じて
自らの背中で語りかけることが
私は必要だと思うのです。


投票所に行って1票を投じることも
そうした行動のうちのひとつ。


果たして、皆さんは
この低投票率を見て、
どのようにお考えになるでしょうか。


とっても、気になるところですね。